しばらくすると、ナンナンのおへやから、こんな声がきこえてきました。
「なにかお金になるものはないかなー」
 なんと、ほんもののどろぼうです!
「なになに『ちょきんばこ』だって?しめしめ。うっしっしっ」
 どろぼうは、ナンナンのちょきんばこをそっくりそのまま、もっていってしまいま
した。

 どろぼうは、いちもくさんに、にげていきました。そうして、森の中まできたとき、
ちょきんばこの中身を見てみることにしました。
「何だこれは!ちぇっ、うさぎのヤツ、『ちょきんばこ』だなんて、だましたな。こ
んなのいらないや」
 どろぼうは、ナンナンの『ちょきん』をほったらかしにしたまま、どこかへ行って
しまいました。

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